現代の技術の進歩により、出生前診断ができるようになりました。
もうすぐ生まれてくる我が子のことを少しでも知れる機会にもなりますが、将来の子育てが不安になるようなことを知る可能性もあります。
「どんな我が子でも愛情をもって育てたい」という気持ちを持っていても、妊娠中は精神的に不安定になりやすいものです。
今回は、出生前診断により妊娠中に発達障がいがわかるのかどうかについて解説します。
この記事を参考に、検査をするかどうかを検討してみてください。
□妊娠中の出生前診断について
NIPTという言葉をご存じでしょうか。
Noninvasive prenatal genetic testingの略称で、「新型出生前診断」と日本では呼ばれています。
出生前診断の中でも非確定的検査に分類されるNIPTは、採血のみの検査であるため、流産や感染症のリスクがありません。
NIPTの結果、陽性であった場合、確定的検査に進みます。
NIPTを受けられる時期は、最長妊娠32週目までですが、推奨期間は10週目~15週目です。
NIPTで陽性の結果が出た場合、次の確定的検査を受けられる時期が決まっていることもあります。
さらに確定的検査は結果が出るのに時間がかかってしまいます。
そのため、出産前に全部の検査がリスクを伴わずに終えられるこの期間を推奨しています。
NIPTの対象者は、35歳以上であることや胎児の染色体異常の可能性があることが条件とされていました。
現在では、条件付きに年齢制限を撤廃する方針で進んでおり、今後対象者の範囲が広がる可能性があります。
□発達障がいは妊娠中にわかる?
NIPTは、性別や胎児の発育状態に加えて、染色体の異常の有無も確認できます。
一方で、発達障がいかどうかを判断することはまだ難しいとされています。
なぜなら、発達障がいの根本的な原因が解明されていないからです。
そのため、NIPTの結果が陽性であっても、その結果から発達障がいを特定はできないのです。
NIPTでわからないとされていることは以下の通りです。
・発達障がい
・自閉症
・視覚障がい
・聴覚障がい
・単一遺伝子疾患
・他因子遺伝疾患
・環境、催奇形因子による障がい
一方で、染色体の異常が原因とされる病気は、NIPTによって判断できます。
特に、ある染色体が一本余分に存在してしまい遺伝子が正しく機能しない、トリソミーという症状がわかります。
NIPTでわかることは以下の通りです。
・21トリソミー(ダウン症候群)
・18トリソミー(エドワーズ症候群)
・13トリソミー(パトウ症候群)
□まとめ
今回は、出生前診断の1つであるNIPTについて解説しました。
出生前診断で中絶を決断する方もいらっしゃいます。
どの決断をするにしても、精神的・肉体的に負担がかかることに代わりはありません。
きちんとご家族で話し合い、母親をサポートすることはもちろん、検査をするかどうか検討してみてください。