ひと昔前まで、障がい、とりわけ発達障がいに至っては、診断が下さればそれは子育ての仕方が原因であると言われることが多くありました。

しかし、近年の進んだ研究により、障がいは遺伝と環境の2つの要素が関連していることがわかっています。

今回は、この2つの要素を交えながら、障がいについて分かっていること・分かっていないことを解説します。


□障がいについて分かっていること、分かっていないこと


*障がいについて分かっていること


・主な要因は遺伝子

・妊娠中や生後7カ月から3歳までの環境も要因の1つ

・遺伝的な要因と環境的な要因が複雑に絡んでいる

・過去のワクチンや子育てが原因ではない


障がいは、遺伝子が主な要因です。

例えば、自閉症の兄がいたとしましょう。

その場合、通常の弟であれば20%以下、双子の二卵性であれば30%台、一卵性であれば70%台の確率で弟も自閉症の可能性があります。

もちろん、遺伝子が同一であるはずの一卵性双生児でも30%は障がいを持っていない可能性があるので、遺伝子以外の要素があるということも明確です。


ともあれ、障がいと遺伝には切っても切れない関係があるといえます。

ただ多くの場合は1つの遺伝子が要因となるわけではなく、数百以上の遺伝子が絡んでいるといわれています。


また、遺伝子に突然変異が起こることは決して珍しくなく、どの世代からでも障がいに関係する遺伝子の突然変異が起こる可能性があります。

まだ十分には解明されていないのが現状ですので、これからの研究で明らかになることを期待しておきましょう。


*障がいについて分かっていないこと


・親から遺伝する程度

・どの遺伝子がどのように関連することで障がいが引き出されるのか

・遺伝子の突然変異の確率

・環境要因の具体的な内容


障がいと遺伝子に何らかの関係があることは分かっているものの、その具体的な内容についてはまだはっきりと分かっておりません。

また、遺伝以外に環境的な要因があることも事実ではありますが、どのような環境が要因となるのかまでは分かっていないのが現状です。


□障がいは環境も要因の1つ


先述のように、障がいには遺伝的な要因以外に環境定な要因があることがわかっています。

その具体的な内容はまだ分かっていませんが、現在考えられている環境要因は以下の3つです。


・妊娠中の喫煙

・妊娠中の飲酒

・心理的なストレス


どれも避けた方が良いとされているものですよね。

はっきりいってしまえば、良くないと分かる明確な部分までしか判明していないということです。


遺伝子と同様で、1つの環境がそのまま障がいを引き出す要因となることはありません。

複数の環境要因とさらには遺伝的要因が複雑に絡まることで要因となります。

障がいと遺伝、環境に関係があることは確実ですが、明確にこれが原因であるといえることはないということを覚えておきましょう。


□まとめ


障がいについてはまだまだ分かっていないことが多いのが現状ですが、少しずつ判明してきていることが増えてきています。

今後の研究の進展に着目し、障がいと遺伝の関係性について明らかになるのを待ちましょう。







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