子供の行動は大人には理解できないものばかりかもしれませんが、その行動の背景には納得するような理由がきちんと存在します。
すぐに注意すると逆にストレスになってしまうため、その理由を把握して適切に対応することが子供の成長にとって重要です。
今回は、子供特有の行動の1つである、唾を吐く行為の原因と対処方法を解説します。
□唾を吐くのはストレスだけが原因ではない
唾を吐く行為は周りに汚い印象を与えるため避けたいところです。
しかし、上手く感情を伝えられない子供たちに対して、ただ悪いことだと注意するのは逆効果になってしまうので、初めにその理由を把握することが重要です。
理由の1つ目は、ストレスです。
誰でもストレスを感じてしまうと普段ではやらないような行動を起こしてしまいがちです。
子供の場合、その1つが唾を吐くことです。
感情を表に出すのが難しい子は怒ったり、泣いたりする代わりに唾を吐いてしまいます。
2つ目は、周りにかまってほしいためです。
唾を吐く行為に対して、周りが注意することもあるでしょう。
実は、上手くコミュニケーションがとれない子供は、注意されることに「楽しい」「嬉しい」と思い込んでしまうのです。
唾を吐くことで、「相手が反応してくれた」と感じて、周りの気を引くために唾を吐くことを繰り返している可能性があります。
3つ目は、刺激を得るためです。
指しゃぶりや口に物を入れるなど、口に関わる子供特有の行動はたくさんあります。
口は感覚が過敏であるため、刺激を受けやすい器官です。
そのため、外部から受ける刺激が少ないという子供には、口が刺激を得る手段になってしまうのです。
4つ目は、口内嚥下(えんげ)の機能が未発達であるためです。
食べ物を飲み込む嚥下の機能が未発達であると、口に唾が溜まってしまい、吐き出してしまうことがあります。
まだ言葉を発する機会が少ない子供は、口の筋肉がまだ弱いため、口から唾を垂らしてしまうこともあるのです。
□唾を吐く行為への対処方法
理由を把握した後は、次のことに注意して徐々に解決していきましょう。
*反応しない
周りからの反応を求めて唾を吐いている場合は、それに反応してしまうとコミュニケーションの一部だと認識してしまい、ずっと続いてしまう恐れがあります。
平然を装い、時には注意しないことも大事です。
*活動から外さない
環境の変化からストレスを感じている子もいます。
そのような子を活動から外してしまうと、さらにストレスを感じてしまい、唾吐きが続く恐れがあります。
反応しないと同様に、いつもと変わらない様子を保つことが大事です。
□まとめ
今回は、唾を吐く行為の原因と対処方法を解説しました。
唾を吐く行為は、決して障がいがある子供に限定されるものではありません。
周りの大人がサポートして、徐々に改善できると良いですね。