人が社会で生きていくには、他の人との関わり合いは避けられません。

ソーシャルスキルトレーニングでは、社会生活を円滑に送るために必要な社会生活技能を取得するために訓練を実施します。

今回は、このソーシャルスキルトレーニングの目的について解説します。


□ソーシャルスキルトレーニングの目的とは


ソーシャルスキルトレーニングは、「ソーシャルスキル」と呼ばれる社会生活技能を取得することを目的としています。

日常の生活習慣や対人行動の上での困難やトラブルをを少しでも軽減できるように訓練をします。

では、そのソーシャルスキルとはどのようなものでしょうか。


「ソーシャルスキルとは、日常生活の中で出会う様々な問題や課題に、自分で、創造的でしかも効果のある対処ができる能力」とWHOは定義しています。

言い換えると、人との関わり合いの中で臨機応変に対応できる能力のことです。


人の性格は十人十色であり、誰にでも通用する万能な対応策というものは存在しません。

そのため、ソーシャルスキルトレーニングでは、あらゆる対人環境で臨機応変に対応できるようになることが最大の目的として設定されています。

また、臨機応変に対応する行動パターンを数多く知っていること、そして、その行動パターンを状況に応じて適切に選択できることが非常に大切です。


つまり、「日常のあらゆる対人関係の状況を分析、判断し、それに見合った行動をする能力」というのがソーシャルスキルだといえます。


□ソーシャルスキルトレーニングをする際のポイントとは


お子さまのソーシャルスキルトレーニングをする際に大切なポイントがあります。


1つ目は、とにかくたくさん褒めてあげるということです。

お子さまはまだ、社会のルールについてほとんど何も知りません。

そのため、公共の場で社会のルールを守れないことも多々あることでしょう。


社会のルールに従えないお子さまの行動に腹が立ったり、一刻も早く社会性を身につけてほしいと焦ったりもするでしょう。

しかし、叱ったり、注意したりする行為はソーシャルスキルトレーニング上で逆効果になってしまう可能性があります。

できないことを否定せず、できたことを思いっきり褒めてあげる。

そうすれば、お子さまは楽しみながらソーシャルスキルを身に付けられます。


2つ目は、、小さなステップを踏んでトレーニングするということです。

わたしたち大人にとっての当たり前があるように、お子さまにとってもお子さまなりの当たり前があります。

そして、その当たり前は急に変えることはできません。

ソーシャルスキルトレーニングでは、お子さまにとっての当たり前を社会にとっての当たり前に変えていくので、ゆっくりと時間をかけてたくさんステップを踏むことが必要です。

そのため、ゆっくりではありますが少しずつ成長していくお子さまの姿を見守る姿勢でトレーニングに臨むと良いでしょう。


□まとめ


今回は、ソーシャルスキルトレーニングの目的について解説しました。

ソーシャルスキルトレーニングでは、少しずつ時間をかけて一歩一歩進めていくことが大切です。

そしてできたときには、お子さまを思いっきり褒めてあげてください。