子供がぐるぐる回る行動は、常同行動といわれています。
常同行動とは、一見すると特に目的もなく繰り返しているような行動のことです。
常同行動を取ってしまうのには、何か理由があるのでしょうか。
また、大人として何かできることはあるのでしょうか。
今回は、ぐるぐる回る常同行動の原因や、対処法について解説します。
□子供がぐるぐる回る常同行動の原因は?
子供がぐるぐると回る常同行動を行っているとき、心の中では以下のような気持ちがあると考えられます。
常同行動の原因を探るためには、まずは子供の気持ちに寄り添うことが大切です。
1.特に何もすることがない
常同行動の原因の1つに、特に何もすることがなくて、何をして良いのか分からない状態であることが挙げられます。
急に自由な時間をもらったら、大人でも何をしたら良いか迷う時がありますよね。
その状態と同じです。
この場合は、自由な時間の過ごし方を本人に選ばせ、少しずつ時間の使い方がわかるようになると、ぐるぐる回るのをやめるようになる可能性があります。
2.先の見通しが分からず、不安に感じている
不安な気持ちを紛らそうとしている可能性もあります。
特に病院の待合室など、いつまで待てば良いか分からない時に、ぐるぐる回る常同行動をしてしまう子供が多いようです。
大人がこれからのことをしっかり共有し、その間の過ごし方を分かるように示すことが求められます。
3.心地よいから繰り返している
例えば、ぐるぐる回ることで得られる、目の回ったふわふわとした感覚や、勢いよく回る景色を楽しんでいる場合もあります。
自分でつくった刺激が心地よく、繰り返し同じことをしているのです。
これは、自己刺激行動とも呼ばれます。
このような行動は、他の遊びの楽しさを知らないことが原因です。
他の遊びに誘い、他にも楽しい遊びがあることを伝えましょう。
□常同行動、大人は見守りを
常同行動は、2歳ぐらいから見られるようになることがほとんどです。
特に無理にやめさせず、大人は見守っておくようにしましょう。
ただし、子供に危険が生じる場合や、他人に迷惑をかけている場合には、やめさせなくてはなりません。
記事前半でご紹介したように、常同行動をやめさせるためには、これからするべき行動を示してあげることが有効です。
これから何があり、どのような行動を取れば良いのか、しっかり子供に伝えましょう。
また、他の行動として、同じ言葉をオウム返しのように繰り返したり、はたまた言葉がまだ出なかったり、年齢に見合わない高い能力があったりする場合には、自閉症かもしれません。
その場合、早い段階で子供の特徴を親が理解し、医療機関や、当社のような療育機関をあたって、子供にあった教育をいち早くスタートすることが求められます。
気になることがある場合には、一人で悩まず、周りに相談することからはじめてみましょう。
いつでもご相談ください。
□まとめ
子供がぐるぐる回るのは、常同行動といわれるものです。
特に問題がないのであれば、大人は見守るようにしましょう。
また、少しずつでも構いませんから、子供がこれからするべき行動を理解できるように、大人が道を示す必要があります。
今回ご紹介した内容を参考に、その子にあった伝え方で働きかけてみてください。