最近よく、インクルーシブ教育という言葉を耳にされるかもしれません。
果たしてどんな教育のことを指すのでしょうか。
また、そのメリットとデメリットはどんなことが挙げられるのでしょう。
詳しく解説しますので、ぜひご一読ください。
□インクルーシブ教育とは?
インクルーシブ教育とは何かを説明する前に、これまでの障がいのある子どもたちへの教育についてご説明します。
過去に遡ると、明治時代以前は、障がいを持っている子どもは教育を受けなくても良いと考えられていました。
そのため、教育の現場から対象とされずに、十分に教育を受けられなかったのです。
しかし、明治時代以降には、障がいを持つ子どもたちにも教育を受けされる必要があると考えられるようになりました。
そして昭和時代の終わりには、養護学校が義務化されたことによって、それまで就学しなくて良いと免除されていた重度の障がいを持つ子どもたちへも教育が行われるようになります。
軽度の障がいの子どもであれば、地域の学校に通うこともできました。
ただ、地域の学校に通ったとしても教室は他の子どもたちと違う教室で授業を受けることが一般的でした。
つまり、障がいのある子どもたちへは、その子たちに合わせた教育が必要だと考えられてきていたのです。
以上の流れが、インクルーシブ教育という考え方が広まる以前の話でした。
インクルーシブ教育とは、これまでの考え方を覆す教育方法です。
障がいの有無に関わらず、共に教育を受けることで、「共生社会」の実現を目指しています。
子どもたちの多様性を尊重して、障がいのある子どもたちも心身ともに最大まで発達できるよう、目指されている教育方針です。
□メリットとデメリットとは?
上記では、どんな教育方針なのかについて、これまでの考え方も一緒にご紹介しました。
続いては、良い面と悪い面についてそれぞれの立場から見ていきます。
メリットは、障がいを持つ子からすると、これまで受けられなかった教育が受けられたり、特別支援学校だけでなく、近くの地域の学校に通えたりすることです。
また、周囲の子どもからしても、共生社会の理念を理解できるという点でメリットがあります。
指導教員からすると、療育や医学的なことに関しての知識を学べることが良い点です。
また、多様性のある子どもたちと接することで、保育スキルも向上させられるでしょう。
一方でデメリットは、障がいを持つ子からすると、合理的配慮によって特別扱いを受けることによる心理的負担が考えられます。
また、場合によっては周りの子から優しくない扱いを受ける可能性もあり得ます。
指導教員からしても、合理的な配慮をどこまですれば良いかの判断が難しいといったことが挙げられます。
またそれに伴って、授業の進行度合いも読めなくなることもあるでしょう。
□まとめ
この記事では、インクルーシブ教育についてご説明しました。
共生社会に向けた理想的な教育理念のことを指していました。
ただ、どんな概念にもメリットとデメリットがあるので、ぜひ把握しておきましょう。