誰でも独り言は言うものですが、お子さまの独り言があまりにも多いと「病気なのでは?」と心配になりますよね。

独り言の内容によっては、もしかしたら心の病のサインかもしれません。

ここでは、お子さまの独り言に不安を抱えている親御さまに向けて、独り言の心の病について解説します。


□独り言が多いこと自体は問題ではありません


結論からお伝えすると、お子さまの独り言が多いだけであれば病気である可能性は低いでしょう。


そもそも独り言とは、孤独感から考え事をし、それを無意識に声に出してしまうことを指します。

独り言として声に出し、自分自身の声を耳にすることで、不安や寂しさなどの精神的なストレスから解放されようとしているといわれています。

一人暮らしをしたことがある方は、気づいたら独り言をしゃべっていたという経験があるのではないでしょうか。

また、頭の中で考えていることを声に出すことで整理して、まとめていることもあります。

仕事中に考え事をして、独り言をしゃべっているというシーンもしばしば見られます。


このように、お子さまの独り言がわたしたちの独り言と同じようなものであれば、病気である可能性は低いです。


□独り言が止まらないのは自閉症や統合失調症の可能性があります


では、心の病の可能性がある独り言とは、どのようなものなのでしょうか。

考えられるのは2つのケースです。


1つ目は、長いことずっと独り言を話している場合です。

独り言が止まらないのであれば、自閉症の可能性があります。


自閉症のお子さまは、内言語機能が上手く働かないため、思ったことをそのまま口に出しやすくなってしまいます。

つまり、頭の中で内言語を使って考えられず、声に出しながら考えているということです。

そのため、常に頭の中の思考をすべて声に出して独り言を話しているようでしたら、自閉症かもしれません。


2つ目は、独り言が多いということ以外にも何か気になる点がある場合です。

空笑や誰かに話しているような口調が目立つ場合は、統合失調症の可能性があります。

統合失調症のお子さまは、幻聴や妄想といった症状が出やすいです。

そのため、それに呼応して独り言を話している可能性が考えられます。


しかしこの場合、本人は気づいていないことがほとんどです。

お子さまにとっては話し相手が見えているのが事実ですので、事実を否定するような接し方はしてはいけません。

周りにいる親御さまや他のお子さまは、態度を変えずに今まで通り接することが大切です。


いずれかの病気が疑われる場合は、病院やクリニックを受診するようにしましょう。


□まとめ


今回は、独り言が止まらない場合に考えられる病気の可能性について解説しました。

寂しさを和らげたり、思考を整理したりする独り言は、病気の可能性は低いです。

一方で、独り言が止まらなかったり、独り言の内容に違和感を覚えたりしたら、心の病を疑いましょう。

少しでも気になるようであれば、一人で抱え込まず病院やクリニックを受診することをおすすめします。