自閉症スペクトラムとも呼ばれるアスペルガーと、注意欠如多動性障がいのことを指すADHDの違いについてはあまり知られていません。
これは、両者の判断が専門医でも難しいことが原因です。
そこで今回は、2つの発達障がいの判断が難しい理由と、両者の比較を説明します。
ぜひ参考にしてください。
□アスペルガー(自閉症スペクトラム)とADHDの判断が難しい理由とは?
アスペルガーとADHDは医学の定義上は異なりますが、実際の見極めは難しいものです。
ここでは、判断が難しい例を1つ紹介します。
その例は、ミスしがちである場合です。
ミスしがちなのは、ADHDの明確な特徴の1つです。
注意の切り替えがうまくいいかないために抜け漏れやうっかりしたミスが発生してしまうことがあります。
しかし、ミスはアスペルガーにおいても頻繁に起こります。
臨機応変に質問できずに、上司に言われた内容を勘違いしたまま作業した結果、後でミスを指摘されるような状況がこれに当たります。
つまり、アスペルガーかADHDかを判断するには、ミスをしたという事実だけではなく、その原因を深く考えることが必要になるのです。
□アスペルガーとADHDの比較
*アスペルガーの症状
アスペルガーの主な症状は、社会的コミュニケーションが困難であることと、行動や興味の偏りの2つです。
社会的コミュニケーションの困難により、他者の感情を把握できなかったり、思い込みが激しかったりします。
その結果、話すのが苦手だったり、言葉を字面どおり捉えてしまったりという障がいが発生するのです。
また、行動や興味の偏りにより反復的な行動や会話をしたり、習慣に強く固執したりする傾向があります。
*ADHDの症状
ADHDの主な症状は、不注意、多動性、衝動性の3つです。
不注意とは、集中力がないことを指します。
そのため、忘れ物が多かったり、注意が長く続かずに気が散りやすかったりするといった症状が発生します。
多動性は、じっとしていられない症状のことを言います。
落ち着いて座っていられなかったり、静かにするべき場所で静かにできなかったりするという症状が挙げられます。
衝動性とは、考えずに行動してしまうことです。
その結果、順番待ちができなかったり、気に触ると乱暴になってしまったりすることがあります。
□まとめ
今回は、アスペルガーとADHDの判断が難しい理由と、両者の比較を説明しました。
症状を理解してもどちらの障がいか判断するのは難しいため、自分や家族などがどちらの傾向が強いかを見極めることが大切です。
解説した2つの発達障がいに関して疑問がある方は、お気軽に当施設までご相談ください。